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紫外線への免疫をつける①

シミを気にする方にとって紫外線は大敵です。しかし、紫外線には思わぬ効用もあります。太陽光には、目で見える光の可視光線と、肉眼では見えない赤外線や紫外線があり、電磁波の波長の長さで分類されています。この波長を応用して、赤外線や紫外線を用いた医療機器が開発されて治療で使われているのです。紫外線は、細胞を破壊して遺伝子を損傷する破壊力がありますが、それを治療に応用することで暴走した免疫力を抑制することも知られています。その紫外線を応用した治療は、光線療法といい、免疫機能が関係しているアトピー性皮膚炎や乾癬など皮膚疾患では広く行われています。

紫外線は肌にとっては敵のはずなのに、肌の治療に役立つこともあるわけです。しかし、日焼けに関していえば、肌にとってはよくありません。医療機器のように波長を調整して必要な箇所に当てるといったことができないからです。紫外線は屋内にも入り込むほど至るところに存在していますが、真夏の海水浴ではその破壊力は強烈になります。よくあるパターンは、真夏の海水浴場で起こる真っ赤な日焼けです。UVカットのスキンクリームを塗っていても、海で泳いでいるうちに流れ落ち、気がついたときには全身が真っ赤になってしまう。これは単なる日焼けを通り越して、皮膚炎を起こしている状態です。人間の肌は紫外線の侵入を防ぐために色素細胞からメラニン色素を合成しています。

黄色人種や黒人は、メラニン色素が合成しやすい肌を持っているため、紫外線から身を守りやすいというメリットがあることを覚えていますか。お肌にメラニン色素があることは、決して悪いことではありません。ところが、日頃から紫外線を避けた生活をしていると、肌のメラニン色素は少なくなり、紫外線の侵入を許してしまいやすいのです。その結果、真っ赤な日焼けになり、これを「日光皮膚炎」といいます。メラニン色素の防御がない肌には、紫外線が肌の奥の細胞にまで到達します。肌の奥には、毛細血管が張り巡らされており、免疫機能が常にスタンバイしている状態です。そのため、紫外線によって肌の細胞が破壊されると、免疫細胞もいっせいに働き始めることになります。

UVカットは徹底しなければ逆効果②

真夏の夜に飛びまわる害虫を紫外線に、肌をあなたの部屋に置き換えて考えてみてください。窓を開けっ放しにしていると、害虫類が室内へ入ってきます。網戸をしていても、小さな虫が侵入してくるため、エアコンをつけて窓は閉めっばなし。お隣さんを見ると、エコ対策で網戸にしている。室内には虫よけ剤などの準備が整っているのですが、隣からは見えません。「私もエコ対策」といって窓を開け放したとしましょう。害虫類がドッと室内に入ってきて、あなたはパニックになりませんか。お隣さんのように虫よけ剤などがないため、室内の害虫はあなた自身が退治しなければなりません。

新聞紙を丸めて追い回し、ご家族には「虫よけ剤を買ってきて!」と叫び、家中が虫退治で大わらわになってしまいます。久しぶりに紫外線対策をしなかった肌でも同様のことが起こります。珍しくドッと侵入してきた紫外線によって、色素細胞が対応に追われてしまうのです。紫外線が少ないのは当たり前と、肌が勝手に思っていると考えてください。その結果、年に1回とはいえ、急に紫外線にさらされてしまうと、紫外線の防御をするはずのメラニン色素が少ないまま肌にダメージを受けることになるのです。つまり、紫外線防止を心掛けるならば、徹底していただきたいと思います。

年に1回程度ならば強い紫外線に当たっても大丈夫とは思わないでください。年に1回浴びる強い紫外線こそ、肌にとっては大敵と知っていただきたいのです。常日頃から日傘や帽子、紫外線カットの化粧品などで対策を行っている人は、気を抜かないでください。「たった1回」がシミのもとになると心得ていただきたい。油断をしてはいけません。でも、紫外線防止のことだけを考えて生活をして、「疲れちゃう」と思う人は、徹底しないことを逆手にとって、ほどほどの紫外線防止を心掛けてください。ほどほどこそ、肌の健康にとっては大切なのですから。

紫外線を防ぐには、長袖&長ズボン、帽子、サングラス、もしくは日傘が有効です。衣類によって70%程度は紫外線をカットできるといわれています。そして、顔や首などの衣類で被えない部分は、サンスクリーンを活用する。ただし、サンスクリーンの成分によっては、アレルギー反応を引き起こすこともあります。ご自身の体質が商品が合うかどうかは、顔に塗る前に手などに塗って確かめてからにしてください。かゆみが生じた場合は、我慢しないですぐに洗い流すように心掛けましょう。紫外線防止を徹底するならば、1年を通して四六時中行うこと。「ついうっかり」は止めてください。そして、それが無理ならば、ほどほどに紫外線防止を行うことを考えていただきたいと思います。

UVカットは徹底しなければ逆効果①

日頃から美肌に関心の高い方は、春から夏にかけての紫外線の強い時期には、日傘や帽子、長袖の上着や手袋を着用して日よけを徹底されていると思います。顔や身体にも、サンスクリーン(日焼け止め)を塗るなどしているはずです。しかし、徹底しすぎて肌にとっては逆効果になることがあるのをご存知ですか? 紫外線防止に神経質になりすぎて、ちょっとした気の緩みからシミができやすくなることがあるのです。くりかえしますが、紫外線は、人間の細胞を傷つけ、シミやシワ、がん発症リスクを向上させるなど、悪影響に結びつきます。太陽光からもたらされる紫外線は、地球上を保護していたオゾン層の破壊もあって、年々強くなっているといわれています。

外出先だけでなく、車の中や室内でも、UVカットのガラスを使用してなければ、紫外線は容赦なく降り注ぎ、人間に牙をむき続けています。そのため、真夏の日光浴は避けるのはもちろんのこと、日常生活の中でも、紫外線防止対策は欠かせません。しかし、四六時中、紫外線防止のことばかりを考えてもいられないでしょう。仕事はもとより、家事や育児にも追われていたら、ついうっかりということはあります。この「ついうっかり」こそが、肌のダメージをひどくしてしまうのです。「ついうっかり」するのならば、肌にとってはほどほどの紫外線を毎日浴びている方が、習慣的に肌が防御体制を取っているために、まだマシといえます。

紫外線防止を徹底するならばそれを貫いてください。そうでなければ、神経質になりすぎないでください。常日頃から徹底的に紫外線防止をしていると、肌はその状態に慣れています。つまり、紫外線を浴びないことが当たり前という状態です。ところが、美肌に気を遣っている女性の中には、「年に1回程度の日焼けだから大丈夫」という方がいます。休日にビーチへ行きサンスクリーンを塗り忘れてウトウトと夢の中へ。気がついたときには全身真っ赤な状態で、「失敗しちゃった」と思っても後の祭り。ヒリヒリする肌を冷やしながら、「明日から気をつけよう」といいます。しかし、この1回こそが、肌にとって大きなダメージとなるのです。

紫外線とフリーラジカルのダブルダメージは避ける!③

最近では、会社員の方のマラソンをする姿も増えました。2007年から毎年開催されている「東京マラソン」には、約3万人もの一般市民の方が抽選で出場されており、これに出場するためにマラソンを始めたという方もいます。昼休みや仕事の後に皇居の周りを走る姿もよく見るようになりました。一方で、プロポーションを保つためにジムへ通っている人もいます。たぷたぷとした腹部の脂肪も、ジム通いをして3か月も経てば、引き締まってウエストラインもくつきりしてきます。ワンサイズダウンの洋服を着て足取りも軽やか。トレーニングの賜物といえます。

しかし、健康やプロポーション維持に欠かせない連動が、肌の細胞にとっては老化を促進してしまうのです。こんなお話をすると、美肌のために運動を止めようと考える方もいるかもしれません。でも、運動を否定するために、ここで紫外線やフリーラジカルのお話をしたわけではないのです。一般的には運動をすると、新陳代謝が上がって肌がスペスベになるといわれています。身体を動かすことで血流が良くなり、汗と一緒に老廃物は体外へと排出されやすくなるからです。

汚れと一緒に肌の表面の古い角質層がはがれ落ちやすくなって、肌の表面にできていたシミも消えやすくなります。健康的な肌に運動は欠かせません。とはいえ、わざわざ美肌のために、お金を掛けてスポーツジムヘ無理に行かなくてもいいのです。日常生活で身体を動かすように心掛ければ十分です。会社や買い物へ行くときなどに早足で歩くようにする、階段を使う、部屋の隅々まで掃除をする、庭の手入れをする。こんな日常の動作だけでも、「身体を動かす」ことを意識すると、真冬でも汗が噴き出してきます。それだけで「運動」になります。激しい運動ではないので、プリーラジカルのリスクも少なくて済むわけです。

ただし、運動が好きでゴルフやテニス、マラソンなど、すでに屋外でのスポーツを楽しんでいる方は、肌の健康を損ねやすいので注意が必要です。特に春先から真夏にかけて紫外線量が増える時期には、紫外線防止を心掛けてください。長袖のシャツやズボンなどの衣類を身につけるだけでも、紫外線をカットすることができます。肌が露出する顔にはUVカットのクリームを塗るなど、紫外線防止対策は欠かせません。屋外での運動や作業を行うときには、肌を露出しない衣類の着用と日傘や帽子、さらには、日の細胞を保護するためのサングラスなど、細胞の保護に努めていただきたいと思います。

紫外線とフリーラジカルのダブルダメージは避ける!②

防御反応を失った肌には、皮膚がんも生じやすくなります。人間の身体は、細胞の中にある遺伝子、すなわち設計図によって作られています。細胞分裂によって新しい細胞ができるのも、この設計図をもとにしています。紫外線はこのDNAも傷つけてしまうのです。いわば正常な設計図から誤った設計図に持ち替えた状態です。本来の細胞の役割を逸脱して、増えてはいけない場所で増殖し、他の細胞を破壊していきます。それががんです。スポーツを楽しむ人だけでなく、長年、屋外で作業をしている人の肌も、強い紫外線を浴び続けることにより、肌は弾力やハリを失いシワヤシミも増えやすい。そして、がんにも結び付くことがあるのです。

もうひとつ、激しい運動そのものも、肌の老化に関係しています。人間の身体を作っている細胞は、常に分子という物質を結合させたり離したりしています。そのとき必ずエネルギーが放出されます。木と木をこすり合わせると、木の炭素が空気中の酸素と反応することで、酸化して火が生じるのと同じです。ただし、定められた分子を結合して、離している分には、人間の細胞も火事には見舞われません。しかし、運動という細胞への負荷がかかったときに、火事が起こりやすい状態になるのです。細胞の中で、分子がくっついたり離れたりしているのは、電子という手を介して行っています。

磁石のマイナスとプラスのように、互いに求めあう電子同士はくっつきますが、マイナス同士やプラス同士では反発し合います。ところが、運動によってこの結合が外れやすくなってしまうのです。手を離してしまった分子は、手をつなぐために必死に相手を探します。大人しく別の相手が近づいてくるまで待っているようなことはしません。別のパートナーの相手まで奪って無理矢理結合しょうとするのです。このとき火事のようなエネルギーが生じますが、そのひとつを「フリーラジカル」といいます。フリーラジカルは、細胞にとっては火種のような存在で、コレステロールや中性脂肪を酸化させて「過酸化脂質」というやっかいな物質を生み出します。まさにこれが火の手。

過酸化脂質は、次々と細胞を破壊していきます。加えて、細胞の中の遺伝子を傷つける物質も生み出して、血管にもダメージを与えます。しかも、そんな火事は身体のどこで起きるかわかりません。肌の細胞でも生じる可能性があるのです。それを食い止めるには、フリーラジカルを防ぐことが必要であり、激しい運動も肌にとってはよくありません。もちろん、運動は、人間の長寿には欠かせない行為です。骨格や筋肉を鍛えることで老化に伴う運動機能の低下を防ぎ、脂肪を燃焼させて生活習慣痛を改善し、動脈硬化を防ぐことで心筋梗塞や脳梗塞の予防にもつながります。加えて、免疫機能を正常化に導き、脳にも好影響を与えるといわれているほど、全身の健康にとって運動は不可欠です。