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白ければよい、は間違い②

肌の色が異なる人々でも、色素細胞の数は同じです。ただし、肌の色によってどの程度の大きさで、どのくらいの量のメラノソームを出すか、生まれたときから決められています。そのメラノソームからメラニン色素が程良く出されることで、肌の色になるのです。肌の色だけでなく、髪の色を見ると、色素細胞は人種に関係なく数が同じというのがよくわかります。色素細胞は髪の毛を生み出す「毛包」にも存在しているからです。毛穴の中で髪の毛を作っているもとになっている器官で、ここにも色素細胞はあります。

もし、色素細胞の数によって肌の色が変わるのであれば、毛包の色素細胞の数も少なくなって、髪の毛の色も白人は金髪や白髪のみと、決定づけられることが考えられます。しかし、白人の方々の中にも髪の毛は黒、あるいは、茶色の人がいます。肌の色イコール髪の色にはなっていません。もともと人間の肌がどの色だったかはわかりませんが、何百万年もの月日を経て紫外線と共存してきた中で、その防御の必要性に応じて皮膚の色を最適なものにしてきたことは考えられます。

メラニン色素の量がたくさんあれば、紫外線を防ぐ盾をたくさんもっていることになります。自然環境の中で、肌の色が濃い人の方が、紫外線にも対抗しやすい肌を持っていることになるのです。『種の起源』の著者である19世紀の英国の自然科学者チャールズ・ダーウィンの考えに基づけば、赤道直下の島で強い紫外線を浴びる中で、肌の病気などに侵されることなく健康で生き延びた人は、メラニン色素を肌にたくさん作って、きっと肌も茶色から黒色だったと思います。

逆に、緯度が高くて、1年のうちでも日光が差す時間が限られている地域の人は、浴びる紫外線量も少ない。メラニン色素をたくさん作る必要もなく、肌の色は白くなっていった。そんな祖先の遺伝子を受け継いで肌の異なる人々がいます。人間は生物の一種であり、今でも進化の過程にいます。最近は、地球を取り巻くオゾン層が破壊され、紫外線量が多くなったといわれますが、未来の人間は強い紫外線量から身を守るためにメラニン色素のたくさんある肌を持つ人が増えるかもしれません。逆に、建物の中での生活が増え、メラニン色素が減ることも考えられます。